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GOOD SWELL JOURNAL/LOW KEY PEOPLE/#34

LOW KEY PEOPLE #30

鎌倉に住む、年齢は60代だとは思うが不詳の謎のアイルランド人がいる。彼は根っからの音楽好きで、バンジョー、マンドリン、ティン・ホイッスルなど器用に弾きながら、アイルランド民謡を歌う。誘われて彼の仲間のいるアイリッシュ・バーに行くと、酒も飲まずに、ずっと歌い続ける。また、近所のライブ・ハウスにもよく顔を出していて、鎌倉の音楽好き(特にマニアックな音楽好き)には知らない人はいないくらいの人気者だ。 どうも、70年代以降、あちこちの国々を彷徨いながら、いまは鎌倉に落ち着いているヒッピーのようで、いわば、イギリスの最初の世代のヒッピーが幻のように生きているという感じがする。日本語はあまり得意ではないが、気さくな人柄のせいか、誰にでも好かれている。その彼が、最近練習しているのが、ボーンズという、アイルランドの打楽器で、薄い骨のようなものを二枚、指に挟んで手首を振り、リズムに合せ打ち鳴らすものだ。沖縄の三板(サンバ)に少し似ている。いつでも持っているので、最近は少し煩い。音楽が鳴っていると、すぐに調子を合せ、鳴らし出すので、たまに、煩いと怒られている。しかし、彼が時折話す、イギリス時代のことは60年代の終わりから70年代の初めのことなので、興味深い。The Whoのピート・タウンゼントと一緒に騒いだことがあるとか、フェアポート・コンベンションのメンバーに友達がいたとか。ちなみに、彼の大好きなバンドはインクレディブル・ストリングス・バンドだったとのこと。と、自分にとっても懐かしい話を、その現場にいた人に話を訊いているわけだから、話を聞けば聞くほど、インクレディブルな世界に入っていくのだ。(h、n)

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